高齢化社会と消費税
国は社会福祉の費用を賄うために消費税増税を計画している。本年度の国庫歳入は約86兆7千億円でその約12%は消費税で、他に地方消費税が約3%あり合計15%である。国は消費税1%upで2兆円強の国庫収入となるので5%upで年に約10兆4千億円の歳入増しとなり国や地方にとっては将に打出の小槌ということになる。唯、税を課する側は「民は知らしむべからず、よらしむべし」という租税システムを組み消費税の本質は開示せず昨今は内税方式を普及させて担税感を希薄化させ次の段階に移行することを財務省は目指している。
消費税の詳細や矛盾は別にしてその影響を考えてみよう。消費税法第4条「国内において事業者が行った資産の譲渡等にはこの法律により消費税を課する」と規定され国内の取引で課税される。ほかに免税のものを列記すれば(ここでは福祉医療関係のものに限る)以下の通りである。
医療保険各法等の医療
社会福祉事業法に規定する第1種社会福祉事業等
第2種社会福祉事業及び社会福祉事業に類する事業
助産
埋葬料、火葬料
身体障害者用物品の譲渡、貸付け等
となっている。
消費税は施行の当初から致命的な欠陥を有している。所謂、逆進性の問題である。
消費者の税負担の割合は高所得者より低所得者のほうが高い。これは財務省のデーターでも隠すことが出来ず実収入に対する消費税の負担割合は低所得者の2.7%から高所得者の2.0%と徐々に低下している。(財務省「収入階級別税負担平成11年分」)増税する毎に低所得者層の負担が大きくなる仕組みであることは明らかであり税負担の不公平感が加速することになるが税率引き上げが更に検討されている。
この為1例をとると、日常使用する食品等を非課税とする要望が多いが、これも税制からは矛盾がある。食品を完成させるための材料等は課税対象であるために最終段階の食品を非課税にすることは出来ない。売り上げに消費税を掛けず、仕入れの際に負担した消費税を戻す方法は、売り上げをゼロ税率にすると仕入れ時に負担した消費税を還付して貰えることになる。日本ではこのゼロ税率は輸出取引にのみ認められている。食品についてもゼロ税率の軽減税率を適用すべきであり、同様のことは家庭薬品でも軽減税率にし、逆に消費税増税を行うなら高級品、奢侈品等を一般庶民用とは切り離して増税すべきである。
消費税発足当時は社会福祉と高齢化の為の税制ということが強調されたが現在は国家予算に組み込まれてしまっている。これは所得税だけに頼っていると、勤労世代しか所得が無い為、世代間の負担の不公平が生じ、且つ、高齢化社会で勤労世代も減少し高齢者にも負担を求めるために消費税が必要であったのが真相である。
次に財務省の提案している社会福祉関係費2200億円の問題であるが、社会福祉費用よりの削減の場合は医療福祉の崩壊は決定的となりその付けは国民か蒙ることになる。この解決方法としては別項で述べたように天文学的赤字を生み莫大な政府補助を受けている各種法人を徹底的に見直し整理をすることによって解決することができ、且つ、政府予算も潤沢になる。これらについて政治家は誰も言及しないのが不思議である。作今の公務員の乱脈ぶりはタクシー収賄事件でもこの一端が明らかであり、今後尚一層、国民は政治に監視の目を強化する必要がある